「大手が安心」は思い違い
証券会社を選ぶ際に、「大手が一番安心」と考える人もいるかもしれません。しかし、大手証券よりもネット証券の方が安全です。今日はこれについてお話しします。
図表1をご覧ください。大和証券と野村證券の純資産と国内外債券です。国がデフォルトした場合、通常であれば国債の価値はゼロになります。大和証券は債券保有額6.8兆円に対して自己資本は2.0兆円、野村證券は6.0兆円に対して3.9兆円しかありません。どちらも債券の損失を賄いきれないので破綻してしまいます。

ご安心ください。破産しても、あなたの口座の現金や株が取られてしまうということはありません。お客様の口座のお金は完全に分離されています。その意味では証券会社は大中小とも安全です。
しかし、例外があります。それは顧客が証券会社にお金を預けている場合です。具体的にいうと、信用取引の保証金、FXやCFD、先物・オプション取引の証拠金です。オプション取引で売り手の場合に得られるオプション料も同様です。これらの資産は会計上、証券会社の預かり金となっていますから、破綻の際には戻って来ないお金になるのです。
自分の大半の資産は安全だというはいうものの、大きな問題があることも事実です。倒産すると、顧客の口座は当然他の証券会社に移管されます。将来はそこで取引ができるようになるのですが、それには最低でも数ヶ月はかかります。
その間、資産を引き出すことはできません。もしその期間中に株価が暴落したら、売却して現金化することもできず、資産が溶けていく様子をただ眺めることしかできないのです。
大切な資産を奪われないために
わたしたちの資産を守るためには、破綻のリスクが低い会社を選ぶのがいいということは言うまでもありません。それがネット証券会社です。ネット証券は古くから存在する大手証券会社と違い、国債を保有していません。保有していたとしても少量です。国債の価値がゼロになったとしても、純資産で耐えることのできる量です。
図表2をご覧ください。ネット証券の自己資本比率と特徴をまとめたものです。ネット証券の中でも、安全な証券会社を見極めるポイントは大きく分けて2つあります。1つ目は、自己資本比率の高さです。松井証券は、自己資本比率が6.1%と高く、安全だと言えます。

2つ目は経済圏に入っていることです。
経済圏とは、通信キャリアやメガバンクなどの巨大企業が、スマホ、銀行、買い物などのサービスを連携させて構築している強力なビジネスの基盤のことです。日本には楽天・PayPay・ドコモ・au・Vポイントといった5大経済圏と呼ばれるものがあります。
図表2の中では、マネックス証券や楽天証券、SBI証券、三菱UFJ eスマート証券が該当します。こうした経済圏に入っている証券会社は、万が一の際にも親会社などからの協力が期待できるため、安全性が高いです。
ご自身の大切な資産を守るためにも、こうしたリスクを踏まえて資産の預け先を見直してみてください。
有料の投資講座を始めました。ご興味のある方は次のURL「林則行の投資部ホームページ」をご覧ください。
千葉テレビに出演しました。
べらんめぇ時事総論 第1回
https://www.youtube.com/watch?v=jwM3lN1pclg
べらんめぇ時事総論 第2回
https://youtu.be/iIoA3NvRiIA?si=mgFcuwdSgC2Qp0y8
べらんめぇ時事総論 第3回
https://youtu.be/gb8Rf7OTvzY?si=GGMAVIbUuhEEHCZx
べらんめぇ時事総論 第4回