コスト削減は好況時でも大問題
お店に並ぶ商品は、カラフルで目を引くものばかりかもしれません。しかし、今はあえて色をなくし、白黒で販売せざるを得ない企業が出てきています。今日は、その背景についてお話しします。
実際の事例を見てみましょう。最近話題になっていたのが、カルビーのポテトチップスです 。図表1をご覧ください。おなじみの薄塩味が見慣れない白黒の節約パッケージで販売されています。価格は同じです。

理由はインク価格の高騰です。インクは原油を主成分として出来ていますので、イラン戦争が原因で価格が高騰しました。買い続けるにはかなり割高な費用がかかります。途中で品切れになるリスクもあります。カルビーは色を減らし白黒にする道を選びました。
崖っぷちでは色気より生き残り
このようにピンチの時に色を捨てるという動きは過去にもありました。
2008年に世界的な大不景気(リーマンショック)が起きた時のことです。米国の巨大金融機関が次々と破たんしました。この際のシティバンクの動きを見てみましょう。図表2をご覧ください。

シティバンクはこの年、アニュアルレポートをモノクロにしました。アニュアルレポートとは、企業の1年間の成績や活動を、投資家に向けてまとめた報告書のことです。生き残るかどうかのギリギリの状況では、見栄えを良くするだけのカラー印刷コストは真っ先に削られます。
今では経営陣や支店網、データセンターなどのカラー写真がアニュアルレポートに並んでいますが、当時は写真を一切なくしました。ページ数の削減も行い、米国政府から要求される最低限の項目のみの記載になりました。一般投資家が読みやすい内容は一切削除されてしまったのです。
将来は見た目が同じになる
大不況時のシティバンクに比べて、現在のカルビーの白黒戦略はより深刻です。株を買う理由は業績(EPSの伸び)であって、アニュアルレポートの美しさではありません。これに対して、店頭で商品を買う際には色やデザインが最重要であることは明らかです。場合によっては、商品の中身(この場合は味)よりも重要なことがあります。
その色を捨てたのです。
企業が如何に薄利(売上高利益率の低さ)で経営しているかがわかります。現在は日経平均が過去最高に近い好況時という時期にもかかわらず、このような白黒計画が起きています。
景気が悪化した際にはさらに進んだ色・デザインに関するコスト削減が起きるでしょう。
ビール瓶がその先端を走っています。現在、アサヒ、サッポロ、サントリーの3社は、大瓶・中瓶においてまったく同じ形状の共通瓶を使用しています。お互いに融通し合って効率よく再利用できる仕組みが整っています。
将来はあらゆる飲み物のビン・缶は一緒、ラベルは白黒で、その大きさは統一されているといったことが起きるかもしれません。
私たちの暮らしの中に垣間見える変化を目ざとく見つけてください。自分たちが生き抜くヒントが見つかるかもしれません。
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千葉テレビに出演しました。
べらんめぇ時事総論 第1回
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べらんめぇ時事総論 第2回
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べらんめぇ時事総論 第3回
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