第179回 ゴールド相場が強い

米国ドルの信用失墜が根幹の理由

金価格の今後を占う上で大切な指標があります。今日はそれについてお話します。

大切な指標とはNYダウ平均株価のことです。図表1は、今年に入ってからのゴール価格とNYダウ平均を記しました。NYダウ平均が下落する中、金価格が上昇を続けていることがわかります。一言で言えば、逆相関です。つまり、今後、株価の下落が続くとすれば、金価格の上昇トレンドは確かなものであると予想することができます。

どうして逆相関なのか。この理由は、金価格上昇の裏に「米国ドルの信用が失墜している」という事実です。米国はどんどんドル紙幣を刷ってきました。そのために、多くの投資家が、「米国は借金を返済することはできない」ということに気づき始めたからです。

投資家は、米国ドルで金融資産を保有することをやめて、ゴールドに乗り換え始めています。こうした流れが逆相関の動きを生み出しているわけです。

ただし、ここで一つだけ注意点があります。それは図表1の青いシャドーをつけた部分です。ここはNYダウ平均も金価格もともに大きく下がっている場面です。株価があまりに大きな下げを起こしたので、投資家の中に不安な気持ちになり、ゴールドを売り出す人が出てきたということです。

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金投資における最大のリスクは、景気の悪化による宝飾需要の減少です。ゴールドの需要の半分はアクセサリーや金メッキといった宝飾需要ですから、景気が悪くなれば、この分野の需要は大幅に減退します。だから、過去にも、不景気時にゴールド価格が下がったことがあります。急激な株価下落が投資家に、こうしたリスクを喚起するようになり、ゴールド価格も一緒に下げてしまうのです。

しかし、これまでの株価とゴールド価格の動きを見ると、そうしたリスクが長期化する可能性は低くなってきたことがわかります。米ドルの信用失墜はそこまで大きくなっていると解釈できます。

今後の株価暴落時には、ゴールドにも大きな急落が起こることがあるでしょう。このため、皆さんには、「少しずつ金のポジションを増してください」とお薦めしてきました。今後とも、その方針を堅持して投資してください。

一方で、「こんなに上がるなら、もう全ての資産を今すぐにゴールドに換えてしまうのがいいではないか」と考える人がいるかもしれません。それも決して悪い方法ではないことを付け加えておきます。

いっぺんに買えば、その価格が高いものになってしまう可能性が存在します。それでも。金価格は、ここから数倍にはなるでしょうから、自分の仕入れ価格が多少高くても大きな利益を生むことには間違いありません。最後に、金投資家にはとても良い時代が巡ってきたということを付け加えておきます。

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