第115回 米国では景気がいいという報道が続いていますが、信用できますか

質問

TV報道では米国の景気はいいという話がもっぱらです。信用していいのでしょうか?

 

回答:

信用しない方がいいでしょう。実態は悪化が始まっています。

 

解説:

米国では商業用不動産価格の下落が始まっています。図1にあるように、2022年5月がピークで155でした。現在は121.5ですから21.6%の下落です。

第115回 米国では景気がいいという報道が続いていますが、信用できますか 画像1

 

リーマンショックの際は99から63.5まで下落したので、35.9%の下落率でした。欧州の場合と同じように、株価が史上最高値付近にあるにもかかわらず、商業用不動産価格がここまで落ちています。これは驚きです。

 

最大の理由は、価格が高くなり過ぎたことにあります。図2を見るとそれが顕著に現れています。不動産価格を家賃で割った指数です。不動産を取得する場合はどのくらいの家賃収入が見込めるかを計算して、妥当な価格を考えます。それを大幅に超えた時は、「収益が見込めない」と判断することになります。つまり、不動産価格の割高・割安は家賃が重要な判断根拠になるわけです。

第115回 米国では景気がいいという報道が続いていますが、信用できますか 画像2

 

一方、不動産にはもうひとつ価格を決める要因があります。それが、「価格が上がり続けるならば、将来もっと高く売れるだろうから、現在割高でも買っておこう」という判断です。この場合は、家賃収入からの基準価格を超えて、価格は飛躍的に上がっていきます。

 

それが起きたのがリーマンショック前の不動産相場沸騰期でした。しかし、「大きく上がったものは大きく下がる」という相場の鉄則に基づき、不動産価格は大幅下落となりました。

 

2022年になって不動産価格はリーマンショック前と同じような状況になってきました。しかも、前回に比べてさらに不動産価格/家賃指数が上がっているのがわかります。

 

このバブルは崩壊し始めています。それが図1の商業用不動産価格の下落に現われています。上がり過ぎた価格が大きく下がり始めたと考えるべきです。景気や株価に大きな影響を与えるようになるでしょう。

 

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